2010年01月10日

寺島実郎著「世界を知る力」



以下、目次

第一章 時空を超える世界
     自らの固定概念から脱却するということ

 戦後という特殊な時空間
  ―アメリカを通じてしか世界を見なくなった戦後日本人

1.ロシアという世界
  1705年、ロシアの日本語学校
  1792年、初の遣日使節
  初めて世界一周した日本人
  幕府、北方の脅威に目覚める
  北海道と極東ロシアは瓜二つ
  ウラジオストックで見た一枚の風景画

2.ユーラシアとの宿縁
  歴史時間の体内蓄積
  七福神伝説にみる日本人的なるもの
  空海―全体知の巨人

3.悠久たる時の流れを歪めた戦後60年
  歴史時間を忘却した日本人
  与謝野晶子の世界地図は逆さだった?

第二章 相関という知
     ネットワークの中で考える

  ネットワーク型の視界を持つ

1.大中華圏
  広義のチャイナと狭義のチャイナ
  大中華圏の強固な実体
  中華民族なる言葉の二重構造
  躍動する大中華圏のダイナミズム
  なぜ中国だけがポスト冷戦で台頭したのか

2.ユニオンジャックの矢
  世界を動かすユニオンジャック
  シンガポールが持つ地政学的な意味
  情報と価値の埋め込み装置

3.ユダヤネットワーク
  世界を変えた五人のユダヤ人
  基軸は国際主義と高付加価値主義
  無から有を生み出す力

4.情報技術革命のもつ意味
  IT革命というパラダイム転換
  暗転するアメリカ、オバマ大統領の登場
  就任演説に込められたメッセージ

5.分散型ネットワークへ
  太陽・風力・バイオマス
  グリーン・ニューディールはIT革命を超えるか

第三章 世界潮流を映す日本の戦後
     そして、今われわれが立つところ

1.二〇〇九年夏、自民党大敗の意味
  東西冷戦構造と五五年体制
  漂流を始めた九〇年代
  脅迫観念にも似た小泉構造改革
  民主党政権が意味するもの

2.米中関係 戦後日本の死角
  日米関係は米中関係である
  相思相愛から始まった
  メディアの帝王ヘンリールース
  二つの中国が日本に戦後復興をもたらした
  アジア太平洋は相対化の時代に突入した

3.日本は分散型ネットワークに耐えられるか
  二つのグローバリズム
  日本の国際化は後退している
  分散型ネットっワーク時代に日本を浮上させる

4.友愛なる概念の現代性
  冷戦型世界認識から脱却せよ
  アジアとアメリカをつなぐ架け橋
  オバマ登場と共鳴する友愛なる概念
  プロジェクトとしての東アジア共同体
  大人の外交にはシンクタンクが不可欠

第四章 世界を知る力
      知を志す覚悟

  PCと古本屋
  書を捨てずに街に出よう
  AgreeとDisagree
  異文化の中へ飛び込め
  異国に乗り込んだ場違いな青年
  情報は教養の道具ではない
  知―不条理と向き合うために

 

 以下、本文から引用

 ”いつの間にか「アメリカを通してしか世界を見ない」というものの見方や考え方を身につけてしまったことを自覚するところからしか「世界を知る力」の滋養は望めない。”

 ”戦後の日本人がとらわれてきた「アメリカを通してしか世界を見ない」という固定観念、世界認識の鋳型には、ある意味、「便利な」側面があった。それは、自分自身が考えなくても、アメリカが代わりに、たとえ歪んだものであっても、ある程度まとまった世界の見方を提供してくれた点である。
 今、アメリカ依存の世界認識から脱却することは、わたしたち自身が自ら観察し考えることを要求する。世界認識の再構築である。”

 ”わたしは、「グリーン・ニューディール」が空疎な理念に終わらず、IT革命のような文明のパラダイム転換の可能性を有しているように思えてならない。まだ確信ではないが、そういう予感がする。
 成功の鍵は、再生可能エネルギーのアキレス腱とされる「小規模・分散型」にある。”

 ”「自分たちが有している歴史認識とは違うとらえ方が、他の国民・民族にはありうるということ、世の中にはさまざまなものの見方や考え方があるということを知ってほしい。賛成はできないけれども、あなたのものの見方、誠実に物事を組み立てて考えてみようという見方については大いに評価する、
という姿勢が外交においても、国際社会を個人として生き抜く上でも大切だ」と。”

 「おわりに」で触れている「マージナルマン」としての生き方。この生き方に徹してきた著者の言葉には気づかされることが多い。


 今を世界的な大きな歴史的転換点ととらえるならば、大局観に立って鳥瞰的なものの見方をする必要があり、これはその入門書としてとても読みやすい本であると感じる。


 民主党のブレーンと思われる寺島氏の考え方を知ることによって、国民が選択した民主党政権が行おうとしていることに理解を深めておくことが肝心である。

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 第二章 「相関の知」から “ユニオンジャックの矢”の図↑
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2009年08月17日

大久保幸夫著「日本の雇用」


 副題に「ほんとうは何が問題なのか」とある。

 帯には、

 ”正社員の2人に1人が不安を感じている。景気の悪化。会社への不信。
ミドル・シニア社員問題。もはや非正規社員3割超なのに正社員中心の組織の
制度疲労。そして働くひとりひとりの孤立‥‥。”とある。

 以下、目次

 はじめに 2人に1人が持つ雇用不安

 第一章 日本の雇用はなぜこうなったのか
  1 この10年で何が起こったのか
  2 長い歴史のなかで「いま」を考える
  3 雇用構造の三層化と雇用調整の現実

 第二章 日本の雇用対策に関する3つの不思議
  1 なぜ直接雇用を創り出そうとするのか
  2 なぜ「ワークシェアリング」にこだわるのか
  3 ほんとうに「新卒氷河期」なのか

 第三章 この雇用不安のなかでどう働いていくのか
  1 いま企業にできること、やってはいけないこと
  2 職場のマネージャーは何を求められているのか
  3 じぶんのキャリア・リスクと向き合う

 第四章 雇用対策の3本柱を正しく理解する
  1 雇用保険にできること、できないこと
  2 職業訓練、これからの課題
  3 雇用調整助成金、どこまでやるか

 第五章 残された雇用の課題
  1 正規社員と非正規社員の格差問題
  2 ミドルとシニアこそが問題だ
  3 派遣について考えなければならないこと

 おわりに 私的セーフティネット構築のすすめ


 「おわりに」にあるように『私的セーフティネット』の構築を個々人が人生設計の
なかで行っていくことが大事であると感じる。戦後40年が異常な時代であった
だけである。貯金、人的ネットワーク、知識、職業能力、これらを日頃から
意識してバランスよく備えるように心がけていれば、雇用不安に振り回される
ことなく、過ごせるのでは。

 そして、これこそが生きることの本質につながっているような気がするのだが‥‥?

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2009年08月15日

大津秀一著「死ぬときに後悔すること25」

 1000人の死を見届けた終末期医療の専門家である医師が書いた本であり、とても考えさせられる内容である。
内容は以下の目次を見れば大体の察しがつくかもしれない。

 第一章 健康・医療編
  1.健康を大切にしなかったこと
  2.たばこをやめなかったこと
  3.生前の意思を示さなかったこと
  4.治療の意味を見失ってしまったこと

 第二章 心理編
  5.自分のやりたいことをやらなかったこと
  6.夢をかなえられなかったこと
  7.悪事に手を染めたこと
  8.感情に振り回された一生を過ごしたこと
  9.他人に優しくしなかったこと
 10.自分が一番と信じて疑わなかったこと

 第三章 社会・生活編
 11.遺産をどうするかを決めなかったこと
 12.自分の葬儀を考えなかったこと
 13.故郷に帰らなかったこと
 14.美味しいものを食べておかなかったこと
 15.仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
 16.行きたい場所に旅行しなかったこと

 第四章 人間編
 17.合いたい人に会っておかなかったこと
 18.記憶に残る恋愛をしなかったこと
 19.結婚をしなかったこと
 20.子供を育てなかったこと
 21.子供を結婚させなかったこと

 第五章 宗教・哲学編
 22.自分の生きた証を残さなかったこと
 23.生と死の問題を乗り越えられなかったこと
 24.神仏の教えを知らなかったこと

 第六章 最終編
 25.愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと


 終章はなかなかのドラマである。

 「ありがとう」という日本語。最後の最後に発する言葉として
一番ふさわしいものなのかもしれない。

 しかしながら、うまく死ぬのもなかなか難しいことのようである。

 

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2009年08月13日

カカトコリ著「一天地六の法則」

 著者は会社の経営者。日頃からいかにして社員の能力を全開させるか?
その知恵出しがもっとも大切な仕事なんだということが感じ取れる。

 全ての社員がそれぞれの持ち味を発揮してくれれば、これほど嬉しい
ことはないのだろう。

 常にそのことを思い、朝礼などを利用して毎日話をしていたのかも‥‥、
そんなことを勝手に思わず推測してしまう。

 そんな話材を集めて「名も無きころ(カカトコリの原点はここにある)」
を発刊したのが05年7月。ここには206項目もの興味を引く話材が
詰まっている。

 その原点となったものを更に精選して83項目に纏めなおしたものが
この「一天地六の法則」では‥‥?

 以下、目次

 ・日の丸は左に一パーセントずれている
 ・5は2+3だけじゃない
 ・サイコロの目は信じるな
 ・未来のあなたが今のあなたを創っている
 ・答案用紙にハートマークをつけられますか?
 ・きつい一番より、オンリーワンの二番
 ・なぜ、牛丼屋の看板はオレンジなのか?
 ・だって、飛ぶんだもん
 ・知らないことがあるのには意味がある
 ・消えた聖徳太子
 ・ぼたもちを食べられる人、食べられない人
 ・選択の迷路から抜け出す方法
 ・100回木を切る人
 ・ダメダメな先発投手でも、エースピッチャーに勝てる理由
 ・石ころだって、立派な漬物石になれる
 ・旅の達人は「道草の食べ方」がうまい
 ・成功への地図は、オーダーメイドでしかありえない
 ・成功は過去形で語る
 ・レンガを積む人
 ・川上の人は、いつも適切な量のp水を流しなさい
 ・「成功」という字を虫メガネで見てみたら
 ・お天道様は見ている
 ・好きなこと、嫌いじゃないこと、感謝されること
 ・アインシュタインはあきらめない
 ・努力が夢を引っ張り寄せる
 ・天使を味方にする方法
 ・幸せも不幸せもあなたが決める
 ・人生のウィニングエッジ
 ・自分時間、自分距離
 ・プチハッピー、プチラッキー
 ・幸せ日記のススメ
 ・チーママの独立
 ・幸せになる魔法の呪文
 ・困ったら、「困った」がやってくる
 ・偽物はひと目で見抜かれる
 ・負け癖のデフレスパイラル
 ・悪い空気は吸ってはいけない
 ・マイナスオーラをプラスに変えるには?
 ・青空体操で心のストレッチ
 ・地球カレンダー
 ・四億年生きているクラゲから学ぶこと
 ・人は三〇億×六〇兆の遺伝子からできている
 ・果物がおいしい土地においしい食べ物は育たない
 ・会話とは、心にベルトをかけること
 ・あなたの信用残高、いくらですか?
 ・誠心誠意のウソ
 ・警告をありがとう
 ・転んだらタダでは起きるな
 ・言い訳の名人
 ・愛車に名前をつけていますか?
 ・世界最古の名刺
 ・一流は死んだ後に何を残すか?
 ・所変われば非常識
 ・大きい看板を置く方法
 ・矢合戦のときに、突撃する馬鹿はいない
 ・不幸の既製服を着せるな
 ・顧客満足の上にあるもの
 ・プロは120%の仕事をする
 ・ひらめきは守護神からのプレゼント
 ・黄金の尻
 ・なぜ、寿司屋でイチゴが売れるのか?
 ・断れない人は得をする
 ・畳上の水練をいつまで続けますか?
 ・「なんくるないさ」でなんとかなるさ
 ・あなたにはお売りできません!
 ・投げないブーメランは手元に戻らない
 ・「見せ金」する人は成功しない
 ・負けを認めたときから再度挑戦が始まる
 ・コンプレックスはコインの裏表
 ・人間の体積はみんな同じ
 ・頭があるのは何のため?
 ・間違いだらけの仕事の報告
 ・日本の墓、アメリカの墓
 ・ライスワークからライフワークへ
 ・ビジネスチケットと格安チケットはどこが違う?
 ・言い訳のベクトル
 ・オトナは時間旅行ができる
 ・電話に出ないという選択肢もある
 ・こんなジグソーパズルはイヤだ!
 ・あなたの命は、あと何日?
 ・人にはたくさんのポケットがある

 この目次を見ても何か想像力が働いて興味がわいてしまう。

 あっ、きっとこれはあの本をヒントに書いたんだ、あっ、
見たことがない切り口だ。たくさんの引き出しが出てくる。
いろいろと思いを巡らせながらあっという間に読み終えた。

 以下、一部本文から抜粋引用

 ”天使を味方にする方法

 フランスで古くから言われていることわざに、「天使が通った」と
いうものがあります。
 おしゃべりに夢中になっているとき、ふとみんなが口をつぐんで、
場がしーんとなることってありますよね。
 そんななんとも気まずい、ちょっとしらけた空気が漂い始めるより
一瞬早く、 「あっ、今、天使が通った」と言うのです。
 その後に訪れるのは、ほっとした笑顔、緊張が一気にほどけた笑い声。
本当にこの瞬間は、通り過ぎざまに、天使がプレゼントしてくれた
ものかもしれません。”

 
 要約すれば、全てをプラス志向で受け入れてしまう知恵とでも
言おうか?

 教育用の教材としても最適。活用させてもらおう! 

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2009年07月20日

増田悦佐著「東京進化論」


 副題には 伸びる街・変わる街・儲かる街とある。

 以下、目次

 序 章 東京の「どこ」に行く?

 第一章 みんなが知っている「あの街」の意外な素顔
  1 なぜ渋谷は年齢不詳の美女なのか
  2 ワルが似合う六本木
  3 新橋、ぽっかり空いた都心の空洞
  4 新宿は三つの街の寄り合い所帯
  5 原宿こそ「サラリーマンの街」三代目
  6 おたくの聖地、秋葉原と中野
  7 「乙女ロード」が池袋にある理由
  8 「無冠の帝王」赤坂の現実
  9 広尾と御殿山、「高級」に徹しきれない高級住宅地

 第二章 時代は「派手街」から「地味街」へ
  1 駅は人間見本市――膨張する品川
  2 一つ目小町「隠れ家」大井町
  3 いい居酒屋とセレクトショップ―東急沿線の不思議
  4 江古田と成増「国境の町」
  5 吉祥寺・高円寺・国分寺―中央線「三寺」物語
  6 立川駅、なぜ北口と南口は違うのか

 第三章 東京よ、どこへ行く?
  1 一つ目小町に新スター誕生の予感
  2 「勝ち組」渋谷に忍び寄る危機
  3 中野の「おたく」化、さらにパワーアップか
  4 「上野駅」に新地下道開通、深まる東武伊勢崎線の孤立感
  5 東京―上野間、高架路線二層化の意外な影響
  6 「カマカマ線」で蒲田が派手街に?
  7 築地、市場の跡地に高層ビルは「ノー」!
  8 「幻のマッカーサー道路」開通、ついに新橋が激変!?

 不動産アナリストとしての経験から、東京を俯瞰して中・長期で
街の盛衰を見ている。

 東京のそれぞれの街の特徴を歴史から紐解き、良くつかんでいて、
そのどの街を見ても魅力的に見えてくる。

 「北口と南口」の栄え方の違いの理由や「一つ目小町」の
考え方も面白い。

 また、著者の豊富な語彙と表現力がさらに一層の味わいを醸し
出している。

 東京生活をより楽しくするために、東京に縁がある人は、一読して
おいて損はないと感じる。

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鼈宮谷(べっくや)





 

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2009年06月13日

マイク・マクマナス著「ソース」

 この方の書評ブログの評価を見てネットで購入してみた。

以下、帯から引用

”◆自分の個性を生かした生き方をしたい
 ◆今の仕事が、どこか自分とはズレているような気がする
 ◆少しでも、人のためになる仕事がしたい
 ◆自分の天職とはなにか、ずっと考えてきた
 ◆新卒で入る会社は、どんなところが合っているか
 ◆家庭の中のことだけで一生を終わりたくない
 ◆リストラを逆のバネとして次のステージに行きたい
 ◆定年後は、何をしよう
 ◆勤め人を辞めて、いつか独立したいと思っている
 ◆何のために学校に行くのか、わからない

 ‥‥‥こうした人生の疑問に、「忘れかけていた、人生のワクワクを
思い出す」ことで、パワフルに、きわめてシンプルに答える「ソース」。
それはあなたの人生を劇的に活性化し、内側から自発的で奇蹟的な力を
呼び覚まします。”

以下、目次

第一部 あなたのワクワクに宿る奇跡の力
 一章   あなたのワクワクに宿る奇跡の力
 二章   バランスを失った人生

第二部 誰もが信じているウソ
 三章   責任感のウソ
 四章   ヤル気のウソ
 五章   能力のウソ
 六章   上手のウソ
 七章   決断のウソ
 八章   妥協のウソ
 九章   優先順位のウソ
 十章   現実的になれというウソ

第三部 ソースを実行するための六つの方法論
 十一章  自分のワクワクを全部書き出そう
 十二章  同時実行が生む相乗効果
 十三章  同じ量の情熱を傾けよ
 十四章  小さな一歩を踏み出そう
 十五章  目標を立てるな
 十六章  信念を持ち、自分の直感を信じよう
 十七章  ワクワクに生きる人生にストレスはない

第四部 人生の方向性と仕事とお金
 十八章  仕事は向こうからやってくる
 十九章  ワクワクの本質
 二十章  ワクワクすることをしていれば、お金は自然についてくる
 二十一章 プラス因子とマイナス因子

第五部 ワクワク人生を生み出す四つの条件
 二十二章 ワクワク人生を生み出す四つの条件
 二十三章 生きた証を残す

第六部 ソースの車輪
 二十四章 あなたの存在意義
 二十五章 ソースの車輪
 二十六章 ソースを生きる

 自身の存在意義を見つけ出し、ワクワクの源泉を明らかにして、
それを中心に十等分したソースの車輪を表す。
 この十分野を「自分」「家族」「友人知人」「学ぶこと」「社会との関わり・
社会貢献」「社交」「レジャー」「体の健康」「心の健康」「財政」と定義して、
ワクワクのリストの項目をあてはめていく。

 これはなかなか面白い。

 早速、ソースの車輪をコピーして持ち歩き、各々の項目に
当てはまるものを目下探して、埋めている最中である。

 いまから準備しておけば、定年後はきっとワクワクで満ち溢れて
いることだろう。そんな予感がする。

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2009年06月12日

ロバウト・マウラー著「脳が教える1つの習慣」



 本を選ぶ動機は、知人から情報を得たり、新聞の書評を読んだり、
いろいろあるが、最近はブロガーの書評も参考にしている。この本も
この方が推奨していたので、ネットで注文してみた。

以下、目次

 プロローグ 始まりはすべて小さな一歩
 第一章 一つの習慣だけでうまくいく理由
 第二章 小さな質問をする
 第三章 小さな思考を活用する
 第四章 小さな行動を起こす
 第五章 小さな問題を解決する
 第六章 小さなごほうびを与える
 第七章 小さな瞬間を察知する
 エピローグ 脳が教える!一つの習慣

 脳の抵抗を受けないように、なるだけ小さなものにブレークダウン
して、それをさりげなく毎日の習慣に落とし込んでいくという方法。

 小さな自身への質問、小さな行動などが大きな目標へ有効なことは
はまったくもって同感である。


 最後に第七章の「小さな瞬間を察知する」から、以下、一部抜粋引用

 ”小さな習慣に目を向けるというのは、たやすいことであり、
むずかしいことでもある。
 私は、子供が遊んだり学んだりするのを見ていると、それがたやすい
ことだと思えてくる。子供たちはその瞬間に完全に集中しているので、
遊びや友達との関係に喜びを感じ、夢中になれるのだ。子供たちの脳が
発達するにつれ、二つの別の能力が加わってくる。一つは過去を思い
出す能力、もう一つは未来を予想する能力だ。
‥‥だが、、この二つの能力のせいで、私たちはいつまでも過去に
こだわったり、えんえんと未来を心配したりしてしまう。
 しかし、小さな瞬間に目を向けるテクニックを身につければ、子供の
ころの貴重な特性をいくらか回復することができる。つまり一瞬一瞬を
楽しみ、周囲のものや、いまやっていることに夢中になれる能力を
取り戻せるのだ。”

 この本も若い人への教育で使える内容をたくさん含んでいる。

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2009年06月06日

佐々木閑著「日々是修行」


 新聞に掲載されたコラムを加筆修正した100本の話ということで、
その一つひとつが素人にも読みやすくできている。

 日本人と仏教とは縁が深いが、仏教とはどんなものかと問われると
心細いかぎりである。

 この本のお陰で、仏教の概略がつかめたような気になった。

 もとは仏教用語として、今では日常的によく使われる言葉、例えば
「無明」「刹那」「涅槃」などが、○○とは△△△のことである。という
ように理解しやすい言葉で説明してくれるのが有難い。

 以下、第95話 釈迦の遺言から一部抜粋引用

 ”釈迦は遺言を残している。弟子が、「お釈迦様、あなたが亡くなったら、
私たちは何を拠り所にして生きていけばよいのですか」と尋ねた時に答えた
言葉だ。「私が死んだ後の拠り所は二つある。一つはお前たち自身。
そしてもう一つは私の教えである」と言った。拠り所は、自分自身と釈迦の教え。
つまり、釈迦の教えを土台にしながら、自分でしっかり考えて行動せよ、
というのである。

 「神秘的な絶対者を信仰して、そこに救いを求めよ」とは言わなかったし、
「誰それを跡継ぎに指名するので、そのものの言うとおりに生きよ」とも
言わなかった。つまり、誰かに導いてもらえるとは思うな、ということだ。
「悟りへの道順は教えておくから、それを頼りに自分で進んでいきなさい」と
釈迦は言い残したのである。だから仏教は「自分で修行する宗教」になった。
拠り所を二つしか言わなかったことに意味があるのだ。”


 本の題名にもなっている「日々是修行」こそが仏教の本質である。
そして修行とはとりもなおさず、日々努力することとある。

 さあ、また明日からまた一歩‥‥‥!歩みを止めずに‥‥。

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2009年05月05日

内橋克人著「共生時代が始まる」

著者は90年代から一貫して市場原理主義、新自由主義的改革に
対して警笛を発し続けてきた。その一貫性と時代を見通す目に、
本書の内容の重みを感じる。

 帯から

 ”いま、私たちが向かうべき再生への道筋がおぼろげながら
見えてくるのではないでしょうか。目指すべき「あるべき経済」とは
分断・対立・競争を原理とする「競争セクター」万能の社会ではなく、
連帯・参加・協同を原理とする「共生セクター」が力を盛り返す
社会のほかにないと思います。”

 以下、目次

 第1部 序にかえて
     「新しいアメリカ」にどう向き合うのか
     米「医療改革」に二つの歴史的意味
     「ホープレス社会」でいいのか
      「条件反射型社会」の実相
     日本経団連『希望の国、日本』を問う
     世界経済危機―脆い「日本の防波堤」
     「市場原理主義」を超えて
  
 第2部 「共生経済」宣言
     「市場万能主義」がもたらしたもの
     菜の花が世界を救う
     「浪費なき成長」に向けて ほか
     「日本型自営業」の可能性
     地域からの挑戦(1)高知国独立宣言
     地域からの挑戦(2)オオサンショウウオの町で
     「マネー」が国を滅ぼす
     「共生経済」への道

 第3部 競争至上主義を超えて
     労働・格差・ワーキングプア
     市場原理・構造改革
     神戸・地方・市民



 オバマ氏も連帯を唱えているが、これからのキーワードはやはり
「共生」ではないか?

 本書は本人が今までに発表した資料などからの引用が多い。という
ことは、今に始まって、このようなことを言っているのではないと、
強調したかったのかもしれない。だが、一部、同じ内容が掲載されて
いるのはちょっといただけなかった。

 しかしながら、読む価値は十二分にある本であると感じる。

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  鼈宮谷





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2009年05月04日

平川克美著「経済成長という病」

副題には「退化に生きる我ら」とある。

 帯には

 今、本当に考えなければならないこと。
 私たちは経済成長が人間の社会の繁栄と進歩につながると信じて、
競争を続けてきた。しかし、その努力を続ける中で私たちの社会は
少しでも進歩したといえるだろうか?むしろ、退化したものを直視
することを避けるために、ラットレースのような競争を続けてきた
のではなかったか ―本文より

とある。

 以下、長いまえがきより ””部を抜粋引用

 ”日本という国の、奇妙な変化といったものが視野に入ってきた。
つまり、私がアメリカの会社に参加した2000年あたりを境にして、
それ以前とそれ以後では人々の考え方も、言葉つかいも大きく
変わったということである。価値観が変わったと言ってもよいかも
しれない。”

 ”‥イデオロギーの正当性に代わって、経済力が国威や覇権を決定する
一義的な指標になったといえるかもしれない。この、イデオロギーから
経済の時代への変化は、個人の立ち位置にも影を落とすことになる。
人々の思考や生活においても、経済的差異という数値的な指標がクローズ
アップされることになり、言葉(思想)よりは財力、観念(イデオロギー)
よりは実質、質より量が重視されるようになる。個人にとっても国家に
とっても、重要なことは、思想的、文化的威信以上に、経済的優位性で
あると多くの人々が考えるようになっていった。そしてその経済的優位性を
確保するためには、なによりも経済成長が重要であると考えるようになった。”

 ”‥問題はバランスであり、このバランスを欠いたときに人間は恐ろしく
傲慢な存在になり、その傲慢さが生み出す歪みが、もはや社会の秩序を
維持することができなくなるところまで突き進んでしまう。この10年間は、
その無残な実例であったと私は思う。消費はかってないほど活発になり、
生活の利便は向上したが、人間が自らの欲望に振り回される姿を見なければ
ならないとすれば、それは無残な光景だといわざるを得ない。”

 以下目次

序 章 私たちもまた加担者であった

第一章 経済成長という神話の終焉
     リーマンの破綻、擬制の終焉
     宵越しの金は持たない―思想の立ち位置
     専門家ほど見誤ったアメリカシステムの余命
     経済成長という病
     グローバル化に逆行するグローバリズム思想
     イスラムとは何でないかを証明する旅
     「多様化の時代」という虚構―限りなく細分化される個人

第二章 溶解する商の倫理
     グローバル時代の自由で傲慢な市場
     何が商の倫理を蒸発させたのか
     私たちは自分たちが何を食べているか知らない
     ギャンブラーの自己責任
     街場の名経営者との会話
     寒い冬を生きる経営
     ホスピタリティは日本が誇る文化である

第三章 経済成長という病が作り出した風景
     利便性の向こう側に見える風景
     暴走する正義
     新自由主義と銃社会
     教育をビジネスの言葉で語るな
     テレビが映し出した異常な世界の断片
     雇用問題と自己責任論
     砂上の国際社会
     直接的にか、間接的にか、あるいは何かを迂回して「かれ」と出会う

終 章 本末転倒の未来図

 以下、本文から””部 抜粋引用

 ”誰もがそれを自分の身に及ぶ差し迫った危機であるとは考えず、
やがて起こらないだろうという確信を導き出すに至る。その理由の
一つは、人間は多かれ少なかれその思考の型というものを、自分の
生きてきた時間の中で体験した出来事の枠内で作り上げており、
今日の時間は同じように明日も続くだろうという惰性的な予見に
支配されているからである。つまり、自らが経験したことが思考の
バイアスになるということが見えないのである。さらには、地震など
起きてはほしくはないという願望がこの経験のバイアスを確信に
変えてしまう。

 ”卑近な例を挙げるなら、世間にダイエットという言葉が流行し
はじめたとき、すでに経済成長はその本来の動機を失いつつあると
思うべきではないのか。
 食料を必要以上に摂取し、肥え太って動けなくなり、何とか
しなければならないと思ってスポーツジムに通い、ルームランナーで
余分な水分を搾り取るというのは、どう見ても間尺に合わない行動で
ある。しかし、自分がブロイラーのニワトリのような生活をしていても
やがてそれを奇妙だと思わなくなる。より、効果的なダイエット器具が
開発され、新しい需要が喚起される。
 こんなことが永遠に続くと考える方が不自然である。”

 ”‥いかなる人間も永遠に成長することはできない。どこかで
成長は止まり、やがてそれまで獲得してきたものをひとつひとつ
失っていく退行のプロセスが始まる。どれだけ財貨を積み上げようが、
どれだけ医学や技術の成果を集めてこようが、老いのプロセスを
食い止めることはできない。
 その普遍の事実は、私たちがあたりまえのように目にしている、
日常的な事実であるが、同時に驚くべき事実でもある。この事実の
中には時間の秘密といった解きがたい問題まで含まれている。経済学は
もちろん、この事実を自らの学問領域から除外する。しかし、ほんとうは
どこかで、人も社会も成長段階があれば老いていく段階もあるのだ、
ということを勘定に入れて考えることが必要になる。”

 ”ひとりひとりが、ここに至った問題がなんであったのかを、
見つめなおすために立ち止まる機会が今なのだとだけは言っておきたいと
思う。

 ”‥もし日本の社会というものがすでに成熟期を迎えており、
経済成長の糊しろが薄い(定常状態)に向かっているものだとするならば、
経済成長を前提とした国家戦略も企業戦略もこれから先、現実との
乖離を大きくしていくだけであり、その乖離を埋めるために無理を
重ねるということになる。”

 ”‥いまなら、光り輝くものではないかもしれないが、もう少し味の
ある未来図を描けそうな気がする。なぜなら、国も私も十分に成熟した
からであり、成熟こそ私たちが若さと引き換えに得た、貴重で信ずるに
足る資産だからである。
 成熟した未来図を成熟した大人が描く。
 その作業をひとりひとりが、はじめてみてもよいと思う。”



 社会では経済成長を当たり前であるというより、それが空気で
あるように話を進めるが、この経済成長には常々疑問を抱いていた。
この成長の先に何があるのか、また、時代じだいに経済のあり方が
あるのではないか。きたるべき未来はもっと違った姿を描いていないと
いけないのではないか‥‥
 そんな思いに救いを与えてくれる本であった。また、語彙が豊富で、
表現力が豊かであるので、読んでいて面白く一気に読んでしまった。

 著者は現在の社会を全面的に否定しているわけではなく、他人事で
語っているのでもない。その姿勢にも好感が持てた。

 最後に著者は昨年六月の秋葉原事件にも触れている。

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カカトコリ、しまミーコ





鼈宮谷(べっくや)


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